
Googleは2025年9月、GmailにおけるPOP(Post Office Protocol)およびGmailifyのサポートを2026年1月で終了すると発表しました。この変更により、Gmail上で他社メールアカウントをPOP方式で受信している場合、設定変更が必要となります。
1.何が変わるのか?
廃止される機能
2026年1月以降、以下の2つの機能が利用できなくなります。
◆ POP受信機能
・Gmail上で他社メールアカウント(Yahoo!メール、独自ドメインメールなど)をPOP方式で受信する機能
・Gmailの設定画面にある「他のアカウントのメールを確認」のPOPオプション
◆ Gmailify
・他社メールアカウントにGmailの高度な機能(スパム保護、受信トレイの分類、高度な検索など)を適用する機能

影響を受けるユーザー
以下のような使い方をしている方が影響を受けます。
・Gmail上で他社のメールアカウントをPOPで受信している
・複数のメールアドレスをGmailで一元管理している(POPを使用している場合)
・Gmailifyを使って他社メールにGmailの機能を適用している
影響を受けないユーザー
以下の場合は影響を受けません。
・Gmailアカウントのみを使用している
・すでにIMAPで他社メールを受信している
・メール転送機能を使っている
・各メールサービスを個別に利用している
2.POPとIMAPの違い
| 項目 | POP | IMAP |
|---|---|---|
| 仕組み | メールを端末にダウンロード | メールをサーバー上で同期 |
| 複数端末での利用 | 同一の状態を保てない(不向き) | すべての端末で同じ状態 |
| セキュリティ | 古い運用方式(POP3Sは暗号化対応可) | 現代の標準方式 |
| 状況 | 主要サービスでは廃止傾向(Gmailなど) | 現在の主流方式 |
※Googleは「セキュリティ強化」「技術の老朽化」「利便性向上」のためPOPを廃止し、IMAPを推奨しています。
※Microsoft 365ではPOPの基本認証が廃止され、接続が困難です。セキュリティと利便性のために、IMAPまたはExchangeでの接続を推奨しています。

3. 今すぐできる確認ポイント
(1)Gmailの設定を確認
[設定](歯車マーク)→[すべての設定を表示]→[アカウントとインポート]→[他のアカウントのメールを確認]にPOP設定があるか確認



(2)POP受信している場合は対応方法のいずれかでIMAPへ移行
(3)移行後はPOP設定を削除

4.対応方法
GmailアプリでIMAP設定に切り替える
スマホでメールを確認している方に最適です。
<重要な注意点>
Gmailアプリ(Android/iOS)でのみ、他社メールをIMAPで追加できます。
デスクトップ版Gmail(ブラウザ)では、他社メールのIMAP受信機能は提供されません。
手順
(1)Gmailアプリを開いて、右上のプロフィール →「別のアカウントを追加」



(2)他社メール(Yahoo・Outlookなど)を選択

(3)メールアドレスとパスワードを入力
(4)自動でIMAP設定が適用され完了
各メールサービスを個別に利用
PCで確認する場合は、それぞれのWebメール(Yahoo!メール・Outlookなど)を直接使う方法。
設定変更の必要がなく、最も簡単です。
メールソフトを使って一元管理
PCで複数アカウントをまとめたい場合におすすめ。
OutlookやThunderbirdでIMAP設定を使えば、Gmailも他社メールも一括管理できます。
メール転送を利用
他社メールからGmailへ転送設定をすれば、ブラウザ版Gmailで一元管理可能。
ただし、他社アドレスから返信はできない点に注意が必要です。
5.よくある疑問点
- Q. 移行しないとどうなる?
2026年1月以降、新しいメールが届かなくなります。既存メールは残ります。 - Q. GmailでIMAP受信できる?
モバイルアプリのみ対応。PCで使う場合はメールソフトを利用しましょう。 - Q. 移行はいつまでに?
2026年1月まで。ただし、2025年中の対応がおすすめです。
6.まとめ
2026年1月をもって、GmailのPOP受信機能およびGmailifyのサポートが終了します。
これまでGmail上で他社メールを受信していた場合は、IMAP方式への移行またはメール転送設定への切り替えが必要です。
今後は、スマートフォンのGmailアプリや、Outlook・Thunderbirdなどのメールソフトを利用することで、引き続き複数アカウントを一元管理できます。
なお、これまでに受信したメールは削除されず、Gmail上にそのまま残りますのでご安心ください。
この機会に、自分の利用スタイルに合ったメール管理方法を見直し、早めに設定を変更しておくことをおすすめします。




