
経理や事務の方の中には、「レシートの整理が大変…」「手入力でミスが出る…」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
「経費精算にAIを活用できないか?」というご相談をいただいたので、スタッフSがChatGPTを活用してレシートの読み取りからCSV作成までを自動化できるか?を試してみました。
この記事では、その具体的な手順と気づき、活用のコツをご紹介します。
今回は有料版のChatGPTを使用しています。精度は落ちますが無料版でも同じようなことができますので、気になった方はぜひ無料版でも試してみてください。
今回使用した環境・準備したもの
- ChatGPT Plus(有料版 価格や無料版との違いはこちら)
※無料版では画像読み取り精度が低く、アップロードできる写真の枚数に制限があったため、実用にはやや不向きでした - レシートや領収書の画像(写真)
- 会計ソフト(CSVインポート機能を利用)
※ExcelにまとめるだけでもOKな場合は、会計ソフト不要です

レシートの読み込みからCSVの作成を自動化
ステップ1:レシートを撮影してアップロード
スマホでレシートや領収書を撮影して、ChatGPTにアップロード。
紙のレシートをスキャンしたり、文字を打ち込んだりする手間は不要です。

写真に3枚までのレシートを同時に写しても、問題なく読み取られました。
レシートの大きさやカメラの画質などによっても読み取り精度は影響するため、工夫してみてください。
ステップ2:生成AIが内容を読み取り、仕訳
「このレシートを仕訳してください。」と入力します。

下記が出力されたものです。

ChatGPTがレシートの内容(取引日、金額、品目、店舗名など)を自動で読み取り、
「どの勘定科目に分類すべきか?」まで提案してくれます。
例えば…
- 駐車場代 → 旅費交通費
- 事務用品 → 消耗品費
※間違いがあれば、「〇〇ではなく〇〇にしてください」と追加指示すれば、すぐ修正してくれます。
ステップ3:会計ソフト対応のCSVファイルに変換
使用している会計ソフトに応じて、
「〇〇(会計ソフト名)で取り込める形式にしてください。」と指示すると、CSV形式に整えてくれます。


最終的には、「csvファイルを出力してください。」と指示すると、ダウンロードできるファイルを出力できます。
「ファイル名(赤枠)」クリックひとつでダウンロードできるので、会計ソフト上での仕訳登録もスムーズです。

補足
Canvas機能を使えば大量のレシートも対応可能!
ChatGPT Plusでは、一度に10枚までの画像しかアップロードできません(2025年5月時点)。
大量のレシートを処理したい場合は、Canvas(キャンバス)機能を使えば、あとからレシートを上書き・追加することができます。
Canvas機能とは、ドキュメント編集ができる機能です。
上書き・追加することで、1つのCSVファイルにすべてのレシートの情報を統合できます。
Canvasでの追加手順は下記の通りです。(一例)
(1)出力されたCSV形式の「編集する」をクリック

(2)左下のチャット欄にドラッグ&ドロップで追加したいレシートをアップロード

(3)「このレシートを仕訳して追加してください」と指示
→ CSVがどんどん拡張されていきます。

インボイス登録番号も読み取れる!
インボイス制度対応が求められていますが、ChatGPTはインボイス番号(Tから始まる番号)も自動で認識してくれます。
「インボイス番号がある場合は、摘要欄に『インボイス番号あり』と記載してください」
と指示することで、正確に反映されました。
また、ChatGPTはレシート上に記載されたインボイス番号(Tから始まる番号)の読み取りも問題なくできました。
どれくらい正確?信頼できる?
今回は、10枚以上のレシートを読み取ってもらいましたが、 内容はほぼ正確に抽出され、勘定科目も適切に分類されていました。
もちろん、最終的な確認や微調整は必要ですが、人手で1件ずつ入力していた作業が、数分で完了することに驚きました。
セキュリティ面での注意点
ChatGPT(無料版)とChatGPT Plus(有料版)では、入力データが学習に利用される可能性があります。
機密性の高いデータを扱う場合は、以下の対策をおすすめします。
- 「設定」メニューの「データコントロール」→「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする
- ChatGPT Teamプランの利用(データが学習されない設計)
まとめ
ChatGPTの活用により、経費精算業務の大幅な効率化ができるようになりました。
今回のように会計ソフトに取り込めるCSV形式での出力もできますし、Excel形式にまとめることもできます。
気軽に試して、業務の効率化やミスの削減に役立ててみてはいかがでしょうか?